宇宙戦艦ヤマト2202を見て、心が疼く。

~現代版ヤマト その意味するところは。

 先日、ゲオで「宇宙戦艦大和2202」を借りてしまった。新説「さらば宇宙戦艦大和」だというから、借りてしまったのだ。最初は「?」。あまりに短く終わった、と思ったら次ぎ。TVで一時、放送していた「新ヤマト」のまとめたものだった。

 ヤマト世代からすると、キャラクターが、あまりに「今風」で、TVはあまりというかほとんど見なかったのだが、今一度、見てみると、そのテーマは、なかなか奥深い。

 危機に見舞われて、命からがら奇跡的に助かり、再出発をする。人間は、その時の「感動・感謝」をいつまでも覚えていられない。裏で、誓ったはずの「不戦」「非軍拡」の誓いとは相反する行動をしている。そんな人間の性。

 命の恩人への感謝も、いつしか「軍拡(人間の欲)」の前に邪魔になり、その居場所を奪い、あまつさえ、その「英雄」をさえ、攻撃の対象とする。

 その抹殺が適わないとすると、急に、想定内とし、新たな命令を下して味方面する。そんな人間の性。

 そして、主人公のヤマトクルーの中に息づく、「一人でも助けを求めているなら、助けに行く」「助けてもらった感謝は忘れない」「恩は行動で返す」という、人間の持つ「理想」を信じようとする。その会話の中にあった地球軍との会話。

「理想を追う前に、まず現実に寄り添え!」「その現実が、間違った方向いそうものなら、現実に刃向かう勇気を持ちたい」。ここにも、人生の永遠のアンチテーゼがある。

 また、残されたヤマトクルーが、最終的に、家族を置いて仲間のもとに向かう姿は、涙がこぼれそうになるが、ここにも、「戦いを経験したものは、戦いの中でしか充足を得られない」という、「ベトナム戦争経験下のアメリカ兵のその後」を見るようで、戦争の恐ろしさも感じる。

 ヤマトルークルーとガミラスの協力には、人種を越えて、ともに生きていけるようになりたい、という、これまた人類の永遠のテーマを読むことも出来る。

 「テレサ」による「幻のメッセージ」を聞いたヤマトクルーだけが、宿命への挑戦の旅に出る、というのも、「若者」への激励・メッセージに読み取ってしまうのは、あの時、そう感じて生きてきた「ヤマト世代」の「幻」か。

 ヤマトとともに、何を見て、何を追い、何を捨て、今があるのか。明日へと続く日々の前に、ふと疼くのである、あの時の「想い」が。・・・・ヤマトは、いいなあ。やっぱり。明日から、また、「現実の波」に溺れないよう、頑張ろう。