正体不明のストーカー。学校の限界と警察の無力、保護者の無責任化。

~犯人は誰だ?→校内で起きないこと(被害者の安全)→何も変わらない。

〈ケース1〉

 ある時期のある学校のケースである。意外と一般的なよくある話だが、ここにいろんな「闇(限界と勘違い)」がある。

 始まりは、秋口、部活動の人間関係のもつれから、部活動後、更衣室の被害者Aの鞄に誹謗中傷の手紙がいれられる。顧問は、すぐに部員全員を集め、事実確認と首謀者は誰か、を確認するミーティングをする。が、犯人は、わからず、顧問はしばし部活動停止。当該学年は学年集会を行い、記名アンケートをする。→効果無し。

 その後、ラインを使っての誹謗・中傷が起き、数ヶ月も続くため、学校側は、警察の協力をあおぎ、加害者を特定するよう被害者家族に提案する。被害者家族は警察に届け出るが、警察は「様子を見る」の1点ばり。その後、しばらく小康状態が続くが、年が明け、学年があがり、再び、同様の事案が起きる。今度は、左手で書かれたような文字で誹謗中傷の手紙が、自宅に、そして、近隣の同級生やその友人の家やその周囲のものにはさまれたり、被害者家族の自宅のドアの鍵穴に瞬間ボンドが塗り込まれたり、ペンキで嫌がらせをされるなどの事が起きる。母はノイローゼ様になり、子供は、学校に「行きづらく」なり、遅れてきたり、休む事が多くなった。

 この事態を受けて、警察は「事件化」することとし、可能性が疑われる「数人」の生徒の指紋を任意で取り、事情を聞く。

 その間、学校は、何度目かの学年集会で、情報提供の協力を求めつつ、被害者の生徒に寄り添うことを話す。→その翌日、再び、「学校は何も出来ない。」「あんまりあおるなや、絶対に警察にもわからん」などの手紙が、同様に、被害者家族自宅に届く。

 その後、保護者集会で事実を伝えるも、同様に、2~3日後、それを揶揄する手紙が届く。→その後、警察の動きも知らされず、特に進展無し。

 周辺住民の協力や防犯カメラの設置するも、今度はどこからか同様の手紙が郵送される。保護者集会では、「いつ自分の子供も同様の事が起きるかわからない。詳細を教えて欲しい」「犯人の目星がついていると子供は言うが、誰なのか」など、半分興味本位の発言もあった。その間、その手紙や、その報告は昼夜・夜中問わず、学校・他人の携帯に届くようになった。

〈学校・警察・地域の闇〉この事案から思うこと。〈学校・警察の限界〉

学校側→・この時起こっている事案はすべて学校外である。(きっかけは学校内だが)

    ・学校には、加害者の揶揄するように、加害者を特定する調査の権限は非常に

     少なく、不可能に近い。(その少ない可能性も、小中の中で培われた生徒の

     教師・大人への信頼に因るところが大きい。)

    ・きっかけは、部活動顧問の力量不足もあるだろう。(管理能力)。時には、

     それを自覚していない面々も当然いる。

    ・当該担任は、被害者の保護者の気持ちに寄り添うあまり、他の生徒へ心行か

     ず、否定的な(この中に犯人がいる)イメージで生徒を見るようになった。

     〈たしかに、これ以上打つ手は無しだが・・・・。〉

警察側→該当(被害者に濃厚接触した)生徒・家族への事情聴取、指紋捺印はする。照

    合するするが該当せず。ここで、もちろん、自作自演を学校側も可能性として

    否定できず、被害者・家族へも指紋捺印させる。被害者や近い立場の人々にし

    たら、動きが遅いし、情報がもらえない。この事案も、最初の「相談」の時、

    ライン会社へ動いて加害者が特定できれば、もしかしたらここまで事案が大き

    くならなかったかも知れない。半年後ライン会社に協力を要請するも、解決に

    繋がる情報をもらえず。その後は音沙汰無し→打つ手がないのだろう〉

被害者→遅刻したり、その理由もさまざまで、当然の様子で学校へ。体調不良で遅刻す

    るも部活では普通に活動。髪の長さなどの校則を違反するも、同様に指導でき

    なくなる。(そのことには現状から担任触れることできず)

加害者→様々な様子・行動からも特定できず。半年にも及ぶ執拗な「ストーカー行為」

    の背景に、どんな「事件」があったのだろうか。その存在すら許せなくなった

    としたら、どんな解決が可能なのか?

 

 この〈ケース1〉では、近隣の関係者でも、無関係な部分が大にしろ、「興味本位」のワイドショー的な感覚を、正しそうな声でかき消し、主張する。中には、本当に正しいと思い、被害者・家族が躊躇する中、行動指針みたいなものを、被害者に渡したり、警察に直訴したりと「困ったちゃん」が現れたりしたという。学校には「限界がある」が、それを言えないがため、保護者も中途半端な味方しかできない。学校には調査権限もなく、学校外の事件を、教職員が、見張り・見回り・調査することは、不可能に近いし効果的ではない。それなのに「学校はなにをしている責められても、無意味・無駄である。

 唯一の「警察」も、人権上、一番効果的な、全生徒の指紋調査ができないため、こういう事例は、解決に近づけない事が多い。

 結局、この悶々とした事案を「もんもん」とさせているのは、人権という大仰なものなのだ。人を守る為の法律が、人を苦しめる矛盾。

 正しいことを行使できず、ごまかしで自己満足する学校・警察、そして聞くだけの教育委員会

 こんな事が、近々で起きたなら、どうすればいいのか。もし戸建てでないなら、引っ越し・転校である。これは、「負けではない」。経験を力にかえるための「撤退」。親も子もそう考えるべきだ。私も、周りは考えすぎだと笑ったが、中学卒業までは、前述の理由で、賃貸暮らしを選択した。では、戸建ての家族は?逃げるわけには、なかなかいかない。鈍感になるか、戦うか、どちらかしかないだろう。ただ、叩くにしても、警察は、こういう事案には、実は無力で、「大きな事故」でもないかぎり警察主導で解決できた例はあまり多くない。学校には限界もある。管理職や学年主任の力量・価値観にも大きく左右される。味方は、自分たちしかいない。が、もしかしたら、犯人は自分の子供の自作自演であったり、さっきまで心配顔で隣にいた隣人(同級生)やその保護者かもいれない。・・はたまた、被害者と思われる本人あるいはその保護者が加害者という可能性もあるのだ。・・・

 被害者に寄り添いすぎた挙げ句利用される。被害者に「親身」になる。そこに深い闇が手を広げて待っていることもあるのかもしれない。