「やめればいいんじゃない?そんな人」をもう少し話したい。

「教育現場はもはや聖職、特別(職)ではない。サービス業。ただ「心」はなければ。」

 最近つぶやいた「twitter」が意外な程の反響があった事に正直驚いている。それは、いわば身内にも外野にも同様に。身内(同業)には、「・・・」。まあ、いろいろは人がいる。きっかけは、こういう教育実習生(真偽はわからないが)のつぶやきである。

「①朝が超早くて夜も遅い。働いても働いても仕事が終わらない。②紙の無駄遣いが酷い。③おしゃべりな人が多い。④職員室が五月蠅すぎて、あれじゃ仕事にならない。⑤暗くなるまで部活やりすぎ。⑥先生自身が意味のない仕事を増やしている。

 〈結論〉教員になるのやめまーす」

 それに対して「やめればいいんじゃない?そんな人。働き方の問題はいろいろあるけれど。そんなことしか見えない人は教師にならない方がいい。」とつぶやいたのである。「そんな」の使い方には反省はしているが・・・。

 もう少し、補足してみたくなった。それこそ「意味のない」事だが。

 まず、①と⑤は、その通り。それが現実。だが、この人が仕事が終わらないと嘆く、その後、この人の「駄目だし」された教師は、やっと自分の仕事をするのである。だから、採用試験を受けないと分かっている実習生は、本心では「迷惑」かもしれない。だから、今回の私の担当の「実習生」には聞いたのである。「試験、受けるの?」と。そして、「本音で教えるけど、僕がどれほど真剣に貴方の指導をしても、僕の給料も増えないし、地位も評価もあがらない。だから、中途半端にやるのなら、最初から言って欲しい。それなりに(困らないように)「終わらしてあげる」から。「貴方が全力で学びたいのなら、僕も全力で教える。まあ、きつくなるけどお互いに。」と。その時の感じと大きな差がありすぎて、おもわずつぶやいた。②は、教師に、節約の意識が総じて低いのもあるし、使える時間の制約がありすぎて(時間がとにかくないし、あっても生徒指導や急な書類作成でなくなる場合も多い)、とにかく急ぐ。余裕もない。それに慣れてしまっている。そんな背景もあるのだ。

⑤もその通り。現場には、部活をやりたくてしかたがない教師も多数いて、そうじゃない人もいるが、管理職も、やりたがり教師が占める中、組織はそちらに傾く。教育委員会のお達しなど、管理職が無視するし、しないと親の対応等自分の仕事を増やすので、旧態依然。④も、まあ、どこのそんな快適な職場環境など、一流企業しか保証されないのじゃないか。教育現場は、間違っても一流企業ではない。

⑥について。生徒指導、保護者対応、生徒との触れあい、極めて無駄が多く、しかし、その無駄の中から、「何か」を生み出そうとするのが、教師の仕事なのである。特に生徒の指導・支援・ふれあいは、踏み込みすぎても駄目だし、遠すぎても駄目。無駄の中に、心をつかむ鍵があることがある。まあ、その為に失敗する教師も多いが。だから、それを「無駄」と断じてしまう、この人は、教師に向いていないのである。この人の善し悪しを「つぶやいた」のではないのである。選べるのだから、向いていない職業に無理して就くことはないと思っただけである。でも、向いていない職業の中、必死で毎日頑張っている、多くの人は。

 教師という職業は、今や「サービス業」そのものなのだ。世の中のサービス業を考えてみれば、今の「教育現場」の不条理もわかるだろう。夜の19:00に「居酒屋」が閉まれば、たまあにの「息抜き」の外酒が飲めなくなる。そんな感じだ。

 そういう仕事を、求めている。国や県や市や町という行政は。だから、文句を言うなら、一教員や教育現場にではなく、そういう行政や法律を司る人達へ訴求しないと、変わらない。ただ、サービス業であっても、そこに「無駄」を承知で楽しめないと、希望や夢を語れないと、他人様の「児童・生徒」をあずかれないだろう。担任を必死でして、保護者対応、生徒指導、いじめ対応、部活のもめ事を抱えることになっても、それを仮にうまく解決でき、そんな力を持っても、「給料」は、そうでない人と変わらないのである。仕事の「無駄」である。(最近、担任をしたがらない教師が増えてるのも、そんな事情からなのだ。)

 教育実習は、所詮、実習で、体験入部みたいなもの。その中身は、大概、周囲の担当教諭が地ならしして、受け持たせる。だから、「感動する」。まあ、偽物なのだ。ただ、偽物の感動も、時として、その後の彼・彼女の「拠り所」となる。「夢」くらいあってもいいじゃないか。そう思い、周囲は手助けする。自分が疲弊しても。逆に、この人の場合(本当に教育実習生だとしたらだが)、そんな思いをさせた周囲のレベルが「?」で、可哀想だったのかも知れない。でも、そんな人もたくさんいるのだ。この世界。でも、それは教師に限った事ではないのじゃないか。いろんな人がいるのである。世の中には。だから、疲弊するし、やりきれない。生きるのは・・・大変なのだ。