「突然学校から飛び出す」、「レイプされた」とうそぶく、あのリスカ2人組。極めつけは・・・。

~「ああ無情?」。負の三重奏。権限無き学校現場の負のスパイラル。

 まず、リスカ二人組。一人は子だくさんで狭い家にぎゅうぎゅうの家庭。「小学生の頃は全く手がかからなかった」子だという。最近、嫌な授業は出ない、トイレにこもる、カッターを持ち込み、取り巻きに渡す、など目に余る行為が続き、学校に呼び、管理職立ち会いの下、親子に説諭。その4~5日後に女性教諭に相談があると言ってきた。(その前の週には、その女性教諭のやり方が腹が立つと夜中、学校に電話がきたりした。)その2日前の午前中の事件だという。「私、レイプされた」。驚いたその教諭と学年は管理職に報告後、両親とその女生徒を学校に呼び事情を聞き、まず産婦人科など病院へ連れて行って欲しいこと、その後、警察など考えるように、とアドバイス。翌朝、両親は、娘を連れて病院へ行く。医者と看護師が事情聞くが、まったくつじつまが合わず「?」。とりあえず「事故が起こらないよう薬を出しておく」事に。その後、両親が事情を聞く。当初、目隠しをされ、男性の人体はまったくわからない、と言っていたのが、話の途中で、小太りな男でサングラスを・・・とつじつまがあわないことがほとんどだったことや、現場が河原だったのに洋服に汚れが無く、ボタンなども取れたりしていない、ので、「嘘」だろうと判断、警察へは連絡をしないことになった。ただ、違う場所での性交渉の可能性は残るので、薬は飲ませることにもした。その後、度々、自由気ままに教室を出たりし、教師が咎めると、これ見よがしに薬をぷらぷらさせ、これを飲むと意思表示。10分前には、違う教師の前でも・・・。(一言、妄想癖のかまってちゃんなのだ。)

 そんなこんなで息つく暇がない時、もう一人の女生徒。朝から授業に出る出ないでもめ、玄関に向かってダッシュ、逃走、捕獲。とりあえず別室指導。その後、授業に出させるが、その次の授業前にまた逃走。今度は学校外の野原に逃走、30分後発見・捕獲。

 放課後指導するが、ひたすら黙秘、足だらー、腕組みなど、男並みの態度。結局、親に引き取りに来てもらうまで、別室で教師が話をつなぎながら待つ。ところが我慢できなくなった彼女は、鞄を持ち勝手に玄関を出ようとする。教師数名で制止・捕獲。指導しながら親を待つ。親が来て車から降りた、一瞬のすきをついて逃走。

 2時間半教師が探し回るが不明。その後、前述の「うそつき少女」が来校。脱走少女が泣いて走っていった、先生方は何をしたのか、理由によってはただじゃおかない、あの子が死んだら私も死ぬ。とかなんとかわめく。その子の親も呼んで、事情を聞く。

 結局、脱走少女は、学校の側から事の顛末をすべて見ていて、3時間後自力で帰宅。教師が「話を聞いてくれなかった」とかなんとか、ほざき、SNSのステメに書き込み、翌日、好きな授業のみ受け、帰っていく。もう、暴走の域。担任、話できず。

 前日の指導の場面で、担任は、怒るタイミングと諭すタイミングがずれ、その生徒に、諭そうとするが、ただ時間が長引くばかり。引き際、指導の計算ができない、完全な失敗。他の教師が捕まえて説諭しているとき、なぜだか教室でのんびり給食の配膳。50代教師である。勝負するべき時に勝負しないと、その後苦しみが倍返しになるのは必定。(その後、もう一人の生徒の家庭に連絡する際、あれだけ大騒ぎの後なのに、保護者に、~ちゃんどうですか、には、さすがにあきれたが。)

 困難家庭の教育力のなさ→祖父母の甘やかし、生徒指導が出来ない・要諦が見えない学年集団の経験値の少なさ、なかなか苦しいこれからの物語が始まりそうである。

(それでも、「嘘つき少女」は、翌日、家庭学習を見せに教師の下に赴くのである。当初はその子に一番腹が立ったが、繋がっていたい気持ちもあるようで、もう少しつきあってやるか、と思ってもいる。)

 権限一つもない学校現場は、今も昔も「無力」なのである。