第13回教師力BRUSH-UPサマーセミナーに参加して。

 ~4000円払って、得たものは?しばらくぶりに残念な1日。

 しばらくぶりに、「新鮮な空気」を、と思い、参加したセミナー。堀先生も参加されず、どうしようかな、と躊躇したものの、1日4000円という会費を払い、いざ札幌へ。市外の道東や道南からも、わざわざ泊まりがけで来る人もいた。ただ、定員は、過去最低の70人も埋まらず、運営入れて40~50人というところ。

 テーマは「リフレクション」。学術的には内省・反省・振り返りという意味がある。新学習指導要領が新たに取り入れる「アクティブラーニングにからめたテーマだ。

 最初の元木一喜さんのブロックを使いブロックに語らせる「自己の振り返り」は、心理学的な「無意識の内省」のようで面白かった。が、それだけ。教育現場に使えるものではない。そのあとの、東北福祉大学の上條晴夫教授が示した「座談会形式のリフレクション」がひどかった。ワークショップに対抗心ありありなのだが、やっている実践は「大学生との対話」。心・感じ方を大切にするというが、疑問はおいておいて、「いいなあ」と思ったところだけを取り上げる、という今の時代にありがちな「ゆるい」関係構築の方法。模擬授業も教科書などの文に則らず、感じ方だけを言い合う。司会者の教授は、女性教師の「ネックレス」「笑い方」をほめるものの、効果的に話を「掘り下げる」事が出来ず、自己満足のみ。・・・10年一昔の「大学教授」という感じ。

 「面白いと思う人は出来るし、思わない人は出来ない」。その通りなのだが、それを現場に当てはめれば「理解出来る人は深まるし、そうでない人は無理」。それが、「方法論」なのか。

 ただ、若い人は「楽しそう」だった。特に、30代前半くらいの女子教師はまるで教授の前で饗宴を演じる女学生ふう。周囲の白けムードに、翌日の講師が「空気」を伝えに発言したが、教授はどこ吹く風。彼の提唱する「リフレクション」。一言で片づけるなら「無責任な語り合い」「やりっ放しで終わる感想会」。

 まあ、講師もひどかった。中学校の国語を担当した高橋和宏氏は、心境の変化を友達度の変化を見ることとして「提案した」が、その根拠は本文には皆無である。指導要領の「文章に即して」さえ意識されていない。友達度の5段階も、それを考えて話し合いに臨む流れも、満足に準備しないで「丸投げ」。こんな授業を普段しているとしたら札幌の中学校の彼担当する生徒・学級は悲惨である。力がつくどころが崩壊の序章である。(どうやら上條氏の著書には「丸投げの効果が書いてる?)。相手はほとんど「教師」。なんとか流れる。・・・これが「提案」と呼べるのか。非常に疑問だったが、その基本的な「勉強不足」はおいといて、となる。「堀氏」がいたらどんな感想を述べるのだろう、と考えたりした。

 彼らは、セミナー作りは専門ではないので、と後にメールを送ってきたが、(まあ、難しいのはわかるが)、立ち上げ「お金をとる」以上、「真剣さ」は最低限の誠意だろう。代表の大野氏の、赤のパンツも、どうだろう。この年齢の教師はTPOをあまりうるさく言われなかった時代だったか。「服装は心をうつす」という格言もあったか。

 以前は、藤原氏や堀氏他、他業種からの講師も招き、学ぶ→まねぶ知識・感覚も得ることが出来たこの会も、今回は組織の退廃・衰退を感じることしか出来なかった。まあ、若い人対象をするならいいけれど。

 会費4000円+交通費1500円の対価を考えたときに、久々に「失敗」した、という研修会だった。

 ただ、企画を立ち上げる情熱・準備には、心から拍手を送る。